クソ写真をギリギリ人に見せられるレベルにするためのベター・プラクティス

今回は水平・垂直があってない!編。ついでなのでHDRぽくしちゃうよぽくぽく。

まずクソ写真を用意します。


(Nikon D90/Sigma28mm f1.8Macro/f2.8 )

お、おう…と言いたいレベルのクソ写真です。なおフランスばっかなのはこの時の俺のレベルが推して知るべしだからでしょう。デジタルカメラとかAFレンズが苦手なのです。。。ま、適当に撮ってるからだけどね

まず水平・垂直・ゆがみを補正する


とりあえずレンズコンフィグレーションで簡易的に修正します。しかしダメなものはダメ。
問題は煽りアングル、正面から撮ろうとしているが若干カメラが傾いている・正面に対して回転している…あたりなので全体的にグリングリンと回さなければなりません。

歪みは基本いじらなくていいはずですが、ちょっと大げさにいじっておきます

あおりになっているので、ぎゅいーんと垂直方向を修正します。

回転か水平方向の傾きかはわかりにくいですが、平行線(たてものの水平線)が若干平行になっていないのでいじります。

だいたい平行になったかなとおもったら回転させます。
建造物の場合、水平・垂直・歪み・回転の修正はたてものの直線で判断するしかありません。平行になるはずのところが平行になっているか、垂直になるべきところがなっているか、やりすぎて直線が歪んでいないか…などなど。なおLightroom5なら適当にやってくれるそうです。


切り抜き制限をして、あとはちょいちょい気になるところを直します。


構図に問題がなくなったので明るさをいじります。
HDRぽくしたいですか? YES!
では、まずハイライトをマイナスいっぱいに、シャドウをプラスいっぱいに移動させてください。そしてコントラストをあげます。こうすることでヒストグラムの分布が全体的に広がりました。HDRぽい画像を作りたいなら、ハイライトを下げて、シャドウをあげる。これだけです!


白飛び、黒つぶれに気をつけつつスライドを動かします。


ここまでやるとノイズが出まくるので、ノイズ低減は必須。意外におもいっきりスライドは動かしたほうが良いようです。
またフリンジも結構出るので、忘れずに除去しておきましょう。画像は除去後。除去前は拡大しなくてもわかるほど赤いフリンジが出ていました。


最後に左右対称になっていないので右端をトリミングします。LightroomでやってもOKです。


というわけで、出来上がり。

いやー水平垂直は大事ですね。撮るときに気をつけるようにすればこんな苦労はせずともすみます。

:パリに行きたくなったら

:建物を撮るならやっぱり広角

クソ写真を人に見せられるレベルにする -オールドレンズ編-

オールドレンズを使っていて特に困るのがデジタルに対応していないがための画質の劣化です。ハレーションがめちゃくちゃ出る、ゴーストが飛びまくる、ソフトフォーカスがかかったようになる、色収差が派手に出る、色乗りが悪い…などなど。フルサイズ機でどうなのかはよくわかりませんが、すくなくともDXフォーマット以下では収差の問題がかなり顕在化するようです
というわけで対処しきれない場合もありますが、画像を小さくすれば何とか見えるレベルになるかな…?にするテクニック

まずクソ画像を用意します


使用したレンズはFujino 135mm f3.5という往年の銘玉(?)です。古すぎるのであまり状態の良い物もなく投げ売りされていることも多々ありますが、持ってる人には割りと評価が高いもよう。ただしデジタルとの相性はやはりよくないです(古いからね)

クソ画像、暗いけどこれには理由があって、このフジノンは明るく撮るとものすっごくソフトフォーカスがかかったようになってしまうのです。色収差も派手に出ます。そのくせ色乗りが悪い。なにがいいってボケはいいんですが。

とりあえず明るくします


明るくする時は白飛び黒つぶれにきをつけつつざっとやります


明るくするときちんと色が情報として乗ってきています。

シャープネスかけてノイズを落とす


とりあえずめっちゃノイズが出ていますが、ソフトフォーカスがかかったようになっているのでシャープネスかけます

Altキーを押しながらスライドを動かすとこんなふうになります。適当に。

シャープネスをかけたらノイズ除去します。やり過ぎるとディテールが消えるので適当なところでやめます。


まだちょっと課題はあるけどここで終わり。

photoscapeで調整する


ちょっとだけ明るくして、コントラストもあげておきます。


若干色味が気持ち悪いのとどう頑張ってもクソ画像なので、フィルムレギュレーションでごまかします。クロスプロセスにすれば大抵のものはどうにかなる(多様は禁物)

というわけで完成。

オールドレンズはレンズごとに個性があって、これだ!という設定はないです。素直に映る奴もいるし、ボディによってはびっくりするほど良かったり悪かったりすることもあります。このレンズは暗めからスタートするほうがよいですが、明るい方からというやつもいるかもしれないのでいろいろセッティングを試して頑張りましょう。

:オールドレンズを使いたくなったら

クソ画像をちょっとは見れるようにするベタープラクティス -色収差編-

今回はたいしてクソ画像じゃないですが、オールドレンズを使っていると色収差が出まくるのでその対処法です。
Df使う人とか結構困ってるんじゃなかろうか。そうでもないのかな?

まず画像を用意します

背景の黒はもっと黒く落とし、玉ボケは綺麗に出したいところです。この画像だとわからないかもしれないけど、玉ボケのところに緑色の色収差が出ています。

まずハイライトをあげ、限界まで黒レベルを下げる


花がぼんやりとした感じなのでメリハリをつけ、シャープネスがかかったように見せます。この画像、もともと黒側にヒストグラムの山がありますが、白側にも千が伸びているので明るさ・コントラストなどがいじりにくい写真です。そういう時は中間色をいじるしかないわけですね

ちょっとたりなかったのでトーンカーブをいじります。

色収差を消す


拡大すると縁に緑が出ています。これを消します


フリンジカラーを選択するとスケールが調整されます。幾つかスポイトでとってみて全体的に色がおかしくならない辺りを探るしかないようです。直接ぐりぐりスケールうごかしてもいいけどね

できあがり

元が良い画像は手間が少ないです

超絶クソな写真をぎりぎり人前に出せるレベルにするベター・プラクティス -人肌編-

相変わらずクソな写真が沢山あるのでいっぱいプラクティスしたいとおもいます。今回は人肌。
人肌って意外に難しくて、特に男性が撮った写真だとモデルさんの肌がトゥルトゥルになりすぎてて透明感が消えてたり、かなりオレンジが残っててくすんで見えたりすることがある。
いやーやっぱり透明感!白さ!綺麗だけどうそ臭くない感じ!みたいのを作りたいですよね。ですよね。

さて、今回はなにがクソかというとモデルがクソです(ひとさまをくさしているわけではないのでご安心ください)

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超絶クソな写真をぎりぎり人前に出せるレベルにするベター・プラクティス -暗すぎる編-

使うものはLightroomとPhotoscapeです。Lightroom4を使用してますが、5でもやることはたいして変わらないと思います。ただ5のほうが便利。

まずクソ画像を用意します

セッティングもあっていないし、構図もクソだし、斜めっているし、どこに出しても恥ずかしくないクソ写真です。ちなみにRawファイルです。このレベルになるとさすがにjpegは救えません。またいくらLightroomでも白飛び画像で落ちた情報は拾えないので、やるなら暗めに撮ったほうがよいでしょう。

編集方針を決めます

今回は

  • とりあえずなにが映っているか見える
  • ヨーロピアン調(寒々しく乾いた感じ)にする

ことをめざします。

とりあえずレンズ歪みを補正します


プロファイル補正にチェックを入れましたが、この場合あまり変化はありませんでした。

明るさを調整します

とりあえずくらいので明るくします。ヒストグラムの右端矢印が赤くならない程度で。

コントラストなどを調整します。


コントラスト・明瞭度をあげ、自然な彩度も強めにして色が消えないようにします。白レベルもあげますが、Altを押しながらスライドを右にずらして行くとすぐに白飛びしているエリアが出てきてしまったので、あまり調整できませんでした。黒も同様に黒つぶれが出たのであまり動かしていません。

青みを強くする

ヨーロッパっぽい寒々とした雰囲気を出すために色温度をやや青側にずらしました。

ノイズを調整する


元画像がかなり暗かったため、ノイズが非常に強く出ています。

窓でいろいろ動かしながら輝度・コントラスト・カラーのノイズ調整を行います。あまりやり過ぎると質感が消えるので気をつけましょう

水平補正


若干傾いているので水平補正をします

トリミング

余計なものを切って三分割交点構図になるように調整します。

どこを交点にするかというのはいろいろ思うところはあると思いますが、今回は道の消失点を交点に置くことにしました。一番手前の女性の背中を交点におく方法もありますが、消失点を交点とする方が視線を誘導する効果があると思われます。まぁ好き好きですが。

ここまででLightroomの仕事は終わりです。次はPhotoscapeを使用します。

ここでPhotoscapeについて

http://photoscape.softonic.jp/
Photoscapeはフリーの画像編集用ソフトウェアです。操作が非常にわかりやすく、また趣味程度での写真画像加工であれば十分な機能を備えています。特にフィルム写真フィルタが充実しています。
Lightroomとの比較はこちら:http://d.hatena.ne.jp/wonodas/20130413/1365874374

コントラストを調整する

Lightroomの画面上ではやや色が鮮やかに出るため、現像してみると思ったよりくすんでいるということがあります。
今回の写真はコントラストを強めにしたいので、まずオートコントラストで自動修正します。

明るさを調整する

やはりまだ暗いので明るくします

スライドを動かすとプレビューされるので、自分の好みの明るさにかえます。ガンマ値が中間の明るさの上げ下げ、明るさ・暗さは全体の明るさの上下、濃さとコントラストの違いはよくわかりません。

フィルムフィルタをかける

Velvia:全体的に色が濃くなりますが青みがかった色調になります

CrossProcess:赤や緑が強調され、暗い部分は青緑っぽくなります

Proviaコントラストが強くなる傾向にあるようです

Portra:シアンがやや強めに出て、コントラストが強くなります。色あせた感じになります


今回はヨーロッパの乾いた雰囲気を出したいのでPortraを選択しました

ノイズがひどすぎる場合はブルーム加工(画像の平滑化)をすることもありますが、今回は使用しませんでした。三種類のフィルタx強弱(三種類)があります

周辺光を落とす

単純に周辺光を落とすというよりは、注目させたい点はそのままにし、その周囲を円形状にぼかします。今回は左下に三分割の交点があるので、その部分を円の中心とします。

というわけで完成


上:未加工、中:Lightroomの加工後、下:photoscape加工後

みなさまもどうぞphotoscapeを使って最後の仕上げをしてみてください。ちなみにlightroom5ではたしか周辺光量補正で中心をいじれた気がするので、photoscapeではフィルム調フィルタをかけるだけで良いかもしれません。