すべてが影絵になる薄暮の中を。
燃えるような水平線に水面をゆく鴨の影が映っている。
寒々しい木々は枝を振り上げ、その上をきっぱりと空を分かちながら高圧電線が通り過ぎていく。
冬の夕暮れ。静かで、すがすがしく、潔い、空気。深く吸って吐く。
いやな思い出も、忘れたい出来事も、疲れも淀みも、冬は消し去ってくれるような気がする。