ぐしゃぐしゃに丸めた紙のように時々人生を捨ててしまいたくなる
でも思い直してまたそのしわをひとつひとつ伸ばすんだ
あなたはわたしのいきかたをしらない 私が美しいと思うものを知らない
人はみな違い、勝ち負けでは判断できないことを知らない ただ
手をひかれて歩くだけの人生 あなたは何も持たないから
なにもできないから なにも得られなかったから
だからだれもが手を引いてあなたをたすけ
喜ばせようと腐心していたのだ あなたは知らない
あなたはその手を自分の幼い子にも引いてもらうのだろうかと
僕は暗澹たる気持ちの中で考えている
あなたの人生は悪くない 悪くないと思う まっさらな紙はいつまでも白いままで皺一つなくて
でも



皺だらけの紙に僕はまた細かい字を書き込む
僕はそうやってしか生きていくことはできないんだ
おやすみなさい また明日、美しい世界を