こたつが欲しいな、と思った。
こたつにみかんを置いて、借りてきたDVDなんかをテレビで見ながら無心でみかんを食べるのだ。座椅子なんかもあると良い。あるいは、あたたかいお茶を飲みながらノートパソコンを開いて物書きをしているか、寝転がって本を読みながらうたた寝をするのも悪くない。石油ストーブの上のやかんが蒸気を上げ、カンカンと音を立てる深夜に僕は足を温めている。夜がしんしんと更けていく音が聞こえるけれど、冷たい布団に入るのが嫌でグズグズとそこで時間を潰している。そういう想像。
ひとりの、フローリングの冷たい床の上で僕はそんなことを考えている。
こたつと、一緒にこたつに当たる誰かがいれば、そこはずいぶんと幸せの景色だな。