ぼくは人混みの中では耳が悪くなる。すぐそばの人のことばが聞こえなくて、ぼくはタイミングを見計らってはにっこりと笑う。きっと彼らはそうして欲しいのだろうということがわかるから。
ことばがなくても、空気は伝わっている。でもことばがないから、ぼくはひどく孤独だ。