撮影スタイルとか

久々に人がぎゅっと集まっている場所で撮影をして思ったこと。
まーおれは一日200枚もとったらだいたい集中力切れて今日はもういいやってなっちゃうくらい撮らない人なので、あんまり人の参考にはならんかも。

とりあえずデジ一とか割と良いカメラを持っているが、買ったばっかりなのかなーみたいな人々に共通してたこと。

  • とにかく寄って撮る
  • 同じ場所で連写する
  • 待たない。中途半端な位置から撮ったり邪魔なものが入ってても撮影し、撮影したものを確認せずに去る
  • 被写体しか見ていない
  • とにかくずっとファインダを覗いている

つまり、かなり被写体に寄って連写してささっと去る、という感じ。じゃまになるのを気にしているのかなという感じの人もいるし、押しのけてでもとるけどすぐにどっか行く人も少なくないのでそこは人による。ささっと去ってくれるのはいいが、ささっと入ってくるのでそれはそれで僕は地蔵のように笑みを浮かべて待っているほかない。待っているんだよ。君がきえるのをね!!


ま、俺のことはいいとして、とりあえず寄って撮るのはわかるんですよ。できるだけ画面いっぱいに被写体を入れたいという気持ちはすごくすごくよく分かります。しかも撮ってるのが楽しいので、出来上がりのイメージとか全然考えずにばしばしとって、帰ってから写真を見て、あーいい写真ねーなーみたいに反省するのって初心者だからこそだし、そこでダメだな~と思うので次のモチベーションが湧いたりする。そしてまた寄り過ぎる…みたいな。ま、俺がそうだったんですけどね。


けど、仕事で写真撮ってる人(ブロガーはのぞく)は違うんですよね。

  • とりあえずカメラを構えずに良い位置を探る
  • ファインダ除いてジャストな位置に調整
  • 状況をみて一番いい時にシャッターを押す。シャッターを押すまでとにかく待つ
  • さっと一枚撮る(連写する人もいますが)
  • 撮ったらすぐ確認。駄目だったらもっかい良いタイミングが来るまで待つ

意外にファインダーを覗いている時間が短い。しかし撮影した写真を確認するのはものすごく素早い。撮ったら即座に背中を丸めて背面液晶をのぞきこむ。その動作はなんか面白い。でもそうやって見ることで、すぐに修正がかかる。この修正が大事なのです。


写真を上達するためにはどうすればよいですかって俺ですらたまにきかれるが、たいていはたくさん撮ること!とかデジタルのほうがいいよ!とか(最近は言わないかも)だと思う。けれども、たくさん撮るったって連写してコマを埋めるのでは意味がない。デジタル使ってたって見なおさなきゃ意味がない。
寄るのは別にいいんです。興味の対象にぐいぐい近づきたくなるのはふつうのことです。どこの国に行ったってモナリザの絵の前ではみんな押し合いへし合いしてるし、法王がいたらみんな写真を撮るんです。でもその一枚をとったあとに確認して、本当にこれが自分の撮りたかったものかと内省するかどうかで上達の度合いはかわります。もしデジタルで撮りっぱなしにするくらいなら、フィルムで撮って現像した写真に悔しい思いをした方がいい。出来上がった一枚のなかにすごく気に入ったのがあったと喜ぶほうが、たくさんとった見返さないデジタル写真よりずっとあなたを向上させます。


それから、ずっとファインダを覗いているのはよくないよ。視野が狭まって危ないというのもあるが、ファインダに見えるものしか見えなくなってしまう。それってすごくもったいないと思う。
写真を撮る時にはファインダに収まらない景色をふくめてあたりをよく見て、楽しむことのほうが大事です。その中で例えば銅やったら今の風の冷たさを撮れるかとか、ざわざわした感じをうつせるかとか、人が消えて寂しくなった感じをあらわせるかとか、そういうことを考えるようになる。ファインダをずっとのぞいているってのは、写真を撮るためとか、カメラを使うためにシャッターを押している状態です。そういう状態のうちはまぐれでしかいい写真は出てこない。たまたまそのファインダのなかに良い景色がおさまった時に、その絵が写るにすぎないのです。
なぜ写真を撮るのか、なぜその場面を残しておきたくなったのか、そういうことをもう少し考えながら写真を撮ったほうが良いと思います。というより景色を楽しむ中で、たまたま写真を撮ってたくらいの心持ちでいるほうが、多分いい写真が撮れるんじゃないかなー。