ベイマックスみた。

日本のクリエイティブ死んだって言ってる人いたけどそうでもないんじゃないかなと思った。

日本の風景はわりと綺麗に同化している部分と、やはり中華街と混ざってるテイストの部分、ほんでもってどうして鳥居から離れられないのかあの人らはと思う部分があり、多分担当したアニメータが違うのだろうと思われる。あんなところになんで鳥居があるのか。鳥居の意味わかってんのか。


Big Hero 6 - Official trailer - YouTube

この予告は結構使われてないシーンがあるな。セリフも違うし。結構アクションシーンに行くまで紆余曲折あったのかな。
さくっとネタバレしてるので以下はたたみます。



ま、それはいいとしてキャラクターの話だ。

ベイマックス以外のBig Hero6のメンバーって基本的にアメリカンアニメ、アメリカンコミックのキャラ設定から離れていないし、ある種のアメリカ人のステレオタイプで全部出来ていて、原作がアメコミだからしょうがない……といってもいくらなんでもステレオタイプすぎるだろう、という印象である。
ストーリーもステレオタイプだけども、それでどう登場人物が動くかというのも完全に予想の範囲内。子供向けっつーこともあるがそこが安心して見れる点であり、つまらない点でもある。娯楽としてはちょうどいいんだけどもさ。


その点ベイマックスは唯一の特異点で、有能だけど融通が効かないというところ、非常にキャラが立ってる。
日本のアニメとか漫画ってキャラが立ってるのがいて、かつ日本人的な情緒を満足させるシーンがないとと人気が出ないとこがあるので、ベイマックスを中心に広告した日本の配給会社はホントにマーケティングをしっかりやってるなーと思った。
アメリカ人の情緒ってのは誰かのために自分を犠牲にしてヒーローになるみたいなところに集約されるが、日本人のいう情緒は喪失や悲劇を苦労しながら乗り越えるみたいなところにあって微妙に視点が異なるわけで、うまくその国に合わせてマーケティングをしないと失敗する。映画はさすがに国ごとにカスタマイズする訳にはいかないですからね。そういう意味ではほんとうまくやったなーと思った。


あと、ベイマックスのキャラ(特に最初の方のうめき声が聞こえるたびに相手がなんと言おうとシーケンス通りに質問を重ねる部分とか、周り全然気にしないでマイクロロボットに導かれて歩いてっちゃうとことか)ってかなり特殊で、あれはロボットだってことにはなっているけれども、自閉傾向にある人間のことも暗示しているのかなーという気が。する。そういう意味では最後にベイマックスがロケットパンチ飛ばす場面というのはキャラ設定から外れてしまっていて良くない。ほんとうによくない。ココらへんはアメリカ人的情緒をどうしても出したくてキャラ設定まげたなという感じがすごくしてほんとに良くない。ミギーを見習えミギーを(ちなみにアニメの寄生獣はアクションシーンの作画がクソすぎて悲しい以外はほんとに良く出来ている。特に第一話の冒頭は最高すぎる)。結局のところ、気の利いた嘘をいって死を恐れず献身しなきゃヒーローにはなれないのだなぁ、アメリカは。ベイマックスが最初のベイマックスのままそれができる脚本は、多分作れないんだろう。これから作れられるかもしれないけれども、まだ時間がかかると思う。
とりあえずあれのせいで最後もチップはあるったってもっかいベイマックス作りましたイェーイって言うのはちょっとあれに感じた。多分日本人だとあの最後はちょっともにょるよな。


まぁその他ジーニアスでもプレゼンできなきゃ生き残れないのかとか、オタクはやはりダメないきものなのかとか、自撮り映像がYoutubeっぽくてうけるとか、その世界でもまだ3Dプリンタなのかとか、その場で修理とか色々できないの不便だろもうちょっと情報網あたりを未来チックにしろとかいろいろありましたが、ベイマックスという題名になっているにもかかわらず最後のタイトルが"Big Hero 6"とででんと出てきたのが一番面白かった。機内食吹くかとおもった。機内公開の字幕版は全米公開版と同じってことなのかな。ラッキー。


※ちなみに空をとぶところの作画だが俺は日本の昔のアニメ(いくつか空を飛ぶシーンが思い浮かぶアニメがあると思いますがそれです)のほうが好きだし気持ちよかったなぁ。空間のデフォルメの才能が飛行シーンには如実に出ると思う。