2. うわっ…私の写真、ボケすぎ…? しっかり理解しておきたい被写界深度と距離の関係

f:id:wonodas:20170627102204j:plain

さて、今回はみんな大好き、写真のボケ味(被写界深度)のお話です。
多くの皆さんが一眼レフなどのカメラに手を出す理由として背景がボケた写真、いわゆる「一眼レフらしい写真」が撮りたかったからとおっしゃいます。たしかにコンパクトデジカメやケータイ電話のカメラでは味わえないボケ味は夢ですよね。でも、背景がボケすぎてなにが映っているかわからなくなった!という失敗はありませんか?人の顔を撮ったはずなのに、鼻しか映ってなくて誰だかわからない!なんてことはあり……わたしはあります。失敗写真だって思い出になりますのでぜひぜひいっぱい作ってカメラ買ったばかりの頃はこんなんだったんだよーなんて話をしていただきたいと思いますが、そうはいってもここぞという時の失敗は痛いもの。ぜひ被写界深度と距離の関係をマスターしてみてくださいね。

というわけで、以前書いた「カメラまかせから脱却したい人へ、ほんとうにほんとうに簡単な露出の話 - 絞り」の復習からいきましょう。

絞りを開けると、背景はボケる

F1.4とF4ではどちらのほうが背景がぼけるでしょうか?

f:id:wonodas:20170914124610j:plain
上の写真では左側は人形の顔までぼけていますが、右側はしっかりと写っています。背景の壁の横にコンセントの差込口みたいなものが見えていると思いますが、これもボケ方が違いますね。左側がF1.4でとった写真、右側はF4で撮った写真ですが、これくらいの違いがあります。
そうですね、「絞りは開けたほうがボケる」。もう大丈夫ですね!

ピントがあっているところから離れるほどボケる

f:id:wonodas:20170914124636j:plain

この例で注目していただきたいのは、後ろにある鉢植えと壁のコンセントの差込口です。この鉢植え、位置は全然変わっていません。もちろん壁もうごきませんし、カメラと壁の位置も変わっていません。ですが、ボケ方は変わっています。ちなみにF値は4固定で撮影しました。
絞りを変えたわけでもないのに、ボケ方は変わっている…なぜ?


ヒントは人形の位置です。
例の三枚の写真はすべて人形にピントがあっています。そして鉢植えは人形が近くなるに従ってくっきりと映るようになります。つまり「ピントがあっているところから離れるほどボケる」、というわけです。
ちなみにF4っていわゆる「単焦点の明るいレンズ」の開放値に比べればずいぶん絞ってますが、被写体が近くにいればこれくらいボケるんです。

まとめ

被写界深度と絞りの関係はつまるところ、この2つだけです。もう一回復習しましょう。
・絞りを開けるほどボケる
・ピントがあっているところから離れるほどボケる

F値は露出に関係していますので、暗い場所ではどうしても絞りを開けなければなりません。そういう場合にボケすぎて困る…とおもったら、被写体と距離を取ってみましょう。逆に夏や秋の昼間に外で撮影をすることなどもあると思いますが、その場合すごく明るいので絞りは絞らないと写真が真っ白になってしまいます。こういう場合でも被写界深度の浅い写真がほしいなぁと思ったら、被写体に近づいてみましょう。とっても簡単ですね!
あとはレンズの焦点距離による違いなんかもありますが、またそちらは別の機会に。


では次回もお楽しみに!