20. 大きな光源は作れる! もっと物撮りを極めたいあなたへ

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こんにちは。日も短くなってきましたが、今回は暗くなってもできる撮影、物撮りのお話です。(注:この記事は2015年に書かれたものです)

ネットショップをやっているという方だけでなく、オークションに品物を出したいとか、買ったものは必ず写真に撮って記録しておく趣味があるとか、人に譲る前に写真を見せて確認したいとか、そんな時に物撮りの知識があれば安心ですね。

物撮りに関しては、撮影技術というよりは、光源をどうやってうまく扱うかというテクニックが中心になります。極めると奥深い話ですが、ご家庭でも工夫をすればそこそこの商品写真が撮影できるようになるので、ぜひ基本を押さえていただきたいなと思います。


さて、巷には物撮りボックスなども市販されていますが、しょっちゅう物撮りをするというのでなければ、白い棚の中か、棚に白い紙を引くなどすれば、十分物撮りボックスになります。


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問題はいろいろなところに潜んでいる
結構適当なセッティングですが、棚に白い紙を引き、その上に被写体をのせています。光は天井から(この写真ではスポットライトを棚の天井側に照射してバウンスさせています)の1灯のみ。三脚にカメラを設置して、物撮り! という状況ですね。
しかし、ここに一つ問題点があります。矢印で示したあたりを見ていただくと、取っ手の影が写ってしまっています。多少の影は仕方ないですが、ちょっと変な影なので可能なら消したいものです。

1灯だけではどうしても影が飛ばないので、もうひとつ光源を用意してみました。ホームセンターなどに売っている、クローゼットの中や棚の中用の蛍光灯が便利です(使ったことはないですが、ペンライトでも大丈夫だと思います)

この光源から直接光をあててもいいのですが、ここでちょっと大きな光源の話を思い出してみましょう。
光源は大きいほど影が分散する、でしたね。


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あたりまえですが、光源の位置がかわると、影の位置はかわります。長時間シャッターを開けてこの影を映すと、シャッターが開いている時間に対して影が存在していた時間が非常に短いため、ほとんど見えなくなります。つまり、擬似的に大きな光源を作れるのです!



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実際に光源を動かして影を飛ばしてみた例です。確かに取っ手の影は消えました。
ただ、まだ問題は残っています。


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バウンスさせないとこうなる
この例では直接光を当てているので、被写体の蓋のところに光源が写っています。また、側面のところはまだ暗く、色がよくわかりません。
これは直接光を当てているせいなので、何かに反射させて間接的に光を被写体に当てるとか、コピー紙かなにかを間に入れて光を分散させましょう。このテクニックに関してはこちらを復習してみてくださいね。



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ようやく完成です。まだちょっと側面が暗いですが、このくらいまでくればおそらくリタッチもそれほど難しくないと思いますので、どうしても明るくできないものはソフトウェアの力を借りましょう。この写真の場合は背景が真っ白になるようにホワイトバランスも調整した方がいいと思います。ホワイトバランスはたいていの画像加工ソフトのオートホワイトバランスで調整できます。


というわけで今回は物撮りのお話でした。意外にできるようになると便利な物撮り。コツがつかめればある程度見栄えのする写真が撮れるようになるので、ぜひちょっと練習してみてくださいね。
では、次回もお楽しみに!