5. こまけぇことはいいんだよ、撮りたいものを撮るんだ!というひとのための日の丸構図 6+1個のコツ

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こんにちは。今回から何回かに分けて構図のお話をしていこうと思います。
なぜ構図なの?という方、構図を気にしていると他の人と同じような写真になる気がする…という方、構図にこだわるよりソウルだよソウル!などという熱い方もいらっしゃるかもしれませんが、一口に構図といっても実は意外に奥がふかーい話です。決して同じ構図だからといって似通った写真にはなりません。

構図が全然ちゃんとしてなくてもソウルを感じる素晴らしい写真はたしかにありますが、あれはあれでテクニックがものすごいあるか、ほとばしるような才能がなければできないことだったりするのです。それに構図をかっちり取りつつ熱い思いで撮るということももちろんできます。ま、前置きが長くなりましたが、のんびりとお付き合いくださいませ。


さて、第一回は日の丸構図の解説をしたいと思います。日の丸構図というのはこういうのです。

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撮りたいものは真ん中。それだけです。非常に力強い印象になります。

どうも「ザ・初心者」とか「ダサい」とか言われがちですが、きちんと考えて撮ればみちがえるように印象的な写真になること請け合い。どまんなかだとピントも合いやすいですしね。というわけで、日の丸構図の意識するポイントを見て行きましょう。

1. 奥行きを出す

後ろをぼかすことで奥行きを出します。
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絵画でもお馴染みの遠近法。昔から多用されているだけあって、印象的な画を作ることができます。

気をつけるべきことは『シンプル』であること。

日の丸構図というのは被写体にいやがおうでも視線を向けさせる力強い構図なので、背景がごちゃごちゃとうるさいと見る人は疲れてしまいます。出来る限り背景はシンプルにそして少しぼかすと、バランスよく、かつ主題がはっきりとした写真になります。


また前ボケ(前方をぼかすことです)を使うことで奥行きを出すこともできます

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手前の木の枝をぼかし、狛犬を真ん中に据えた構図です。被写体がど真ん中にあるので日の丸構図ですが、前にボケがあることで遠近をはっきりと意識できます。


こちらは良くない例です。

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なんだか覇気がない写真ですね。そうです、なんだかごちゃっとしています。背景の車などがもう少しボケていれば違う印象になったかなと思います。まぁそもそも被写体にあまり魅力がないので、日の丸構図には向かない題材でした。

2. 何もたさない、何もひかない、被写体だけを映す

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この例だとうしろにちょっとなんか余計なものが混じっているので本当は良くないのですが、前述のとおり日の丸構図は力強いので、背景はできるだけスッキリしている方がよいです。奥行きがでない場合は被写体以外何もうつさない。これが大事です。


こちらは良くない例です。

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ライティングがよくないというのもありますが、背景や前景が中途半端にうつっているためうるさく感じます。

3. 中心で対称になるように調整する

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中心にあるからこそ、ズレが気になるものです。特に直線を含む被写体の場合、見た時のズレはかなり気になりますから注意しましょう。


こちらはダメな例です。
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左:縦横はそろっているはずなのに、なんだかしっくりこない…これは背景(と前景)がシンメトリでないからです。そうすると「なんかダサいなぁ…」ということになってしまうので注意しましょう。

右:景色に対して人が多すぎるのと、中心の建物に対して人物が近すぎるため雑然とした雰囲気になってしまっています(雰囲気としてはそのとおりなのですが)。


なお背景がシンメトリではないけれど問題ない場合もあります。
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これは色が非常に少なくかつ被写体を邪魔していないこと、人間がほとんど無視できるくらい小さいのでシンメトリではなくても問題ありません。幾つもの要素が主張すると日の丸構図はとたんにぐちゃぐちゃとうるさい感じになるので、引き算を心がけましょう。

4. 中心となるところ意外は暗くする

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こうすることで被写体が引き立ちます。2とも同じ理由ですね。


こちらはダメな例です。

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左:ちょっとボケすぎというのもありますが、それ以上に背景に色んな色があってうるさいです。しかも被写体がちょっと小さいのでがちゃがちゃした弱気な写真に。

右:だからといって全部同じ色にしても失敗します。被写体が引き立たないのでどこを見たらよいかわからないぼんやりとした写真になってしまっていますね。やはり中心以外は暗いとか白いとかでないと主題が際立ちません。


5. 飛び上がるものや垂れ下がるものなど動きのあるものの一部だけをうつす

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背景も重要で少し難しいですが、動きのある写真になります。被写体に静止画ではわからない魅力がある場合などは、このように魅力的な部分だけを日の丸構図で切り出すとうまくいきます。

6. 真正面、真上、真下からうつす

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日の丸構図というのか平面構図というのかよくわかりませんが、被写体が真ん中にあり一部フレームアウトしているとすれば日の丸構図…ということでこちらに入れました。余計なものや背景、奥行きを考えるのはめんどくさい、大は小を兼ねるだろ!というあなたに大変おすすめです。
これをするときはコントラストまたは彩度が高めなこと、全体にピントが合っていることが大事です。


こちらはダメな例です。
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一見問題ないようですが、ピント面が斜めになってしまって手前がぼけています。これで四隅がボケていれば良いのですが、傾いているのがわかってしまうと、ちょっとぼんやりとした印象の写真になります。

+1. 日の丸構図にもう一個なにか付け足す

割と簡単な光を入れてみる手法を試してみました。
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どちらもあえて強い光を中心付近にいれ、日の丸構図にプラスαを加えています。こうすることで他にはない写真が出来上がります。
もちろん適切に露出を調整できるテクニックと運と忍耐が必要ですが、これだという写真が撮れるとうれしいですよね。
みなさんも+1の要素を是非いろいろ試して、思わず自慢したくなってしまうような写真を撮ってみてくださいね。


というわけで、今回は日の丸構図講座でした!では次回もお楽しみに。