9. あれ?空が白く飛んじゃった… 背景も被写体もきれいに撮りたい欲張りさんのための画像編集Tips

f:id:wonodas:20170914134512j:plain
ぽかぽかとあたたかい陽気になってきましたが、皆さんいかがお過ごしですか? ゴールデンウィークはどこかに観光に行こう! なんて計画をねっていらっしゃる方も多いと思いますが、今年は是非カメラを連れて行ってやってくださいね。(注:この記事は2015年に書かれたものです)

さて、観光でとる写真といえば記念撮影と建物や町並みですよね。青い空にきれいな町並みをパシャリ……とやってみたはいいけど、あれ?空が白いぞ? となったことはないでしょうか。私はよくあります。かといって空に露出を合わせると被写体が真っ黒になってしまったりして、意外と風景写真もうまく取るのは難しいものですよね。今回は空も景色も全部きれいな写真の作り方のお話をしたいと思います。


さて、今回の題材はこちらです。

f:id:wonodas:20170914134535j:plain
午後の一番日差しのきつい時間帯、かつ逆光下であったため、空を潰さないように肝心のストーンヘッジは暗くうつしています。失敗作ではありません。最近の画像編集ソフトは優秀なので、こんな状態でもちゃんとした写真になるんです。順をおって見ていきましょう。

※画像編集にはAdobe Lightroomを使っていますが、デジタルカメラに付属しているメーカ製の画像編集ソフトでも大体おなじことができると思うので、実際に手を動かしてやってみてくださいね。


石が暗いならあかるくすればいいじゃない! ということで明るさをいじってみてもいいのですが、そうすると空が真っ白になってしまいます。撮影時に石に露出を合わせても同じことが起きます。

f:id:wonodas:20170914134557j:plain

空の青さを保護しつつ、メインの被写体もちゃんと見えるようにするにはどうすればいいんだろう…
答えはシャドウとハイライトです。もしシャドウとハイライトという項目がなくても、あきらめないでください。たいていのソフトではトーンカーブの編集ができると思いますが、それでも同じことができます。シャドウはトーンカーブの下半分の暗い方、ハイライトはトーンカーブの上側明るい方のことです。

f:id:wonodas:20170914134623j:plain

空を白く飛ばさないためには、明るい側、つまりハイライトを暗くします。逆にくらいところ(今回の場合は石)を明るくする場合は暗い側、つまりシャドウを明るくしていきます。現状では石が暗すぎるのでまずシャドウを持ち上げて、空は少し明るいのでハイライトを落とします。空は白くなりすぎず、石の質感もきちんと見えるようになりましたね。
トーンカーブで編集される場合はこんな曲線ができればOKです。どれくらい動かすかは好みなので、画像を確認しつつ微調整してみてください。
f:id:wonodas:20170914134646p:plain

あとはちょっとコントラストをいじったり、色味をいじってみたりして仕上げていきましょう。できあがりはこちらになります。
f:id:wonodas:20170914134700j:plain

一つ注意していただきたいのは、ノイズです。ハイライトをいじる場合はそれほどでもありませんが、暗い方を明るくしていくとどうしてもノイズが強調されやすくなります。こういう時は忘れずにノイズ除去をするか、フィルム調のフィルタをかけるなどをしたほうがよいでしょう。


冒頭の写真は編集前は建物がしっかり見える明るさでしたが、少し暗くしてハイライトをさげ、コントラストを少しあげることで空の青さとガラスに反射する光を強調しています。
f:id:wonodas:20170914134726j:plain
本当はもう少しシャドウ側をもちあげてもよかったのですが、不自然になるのと光の印象が薄まるのでここで編集を切り上げました。何をどれくらい見せたいかということを考えつつ、色々いじってみてくださいね。ぐっと写真が見違えると思いますよ。

では次回もお楽しみに!