10. ピントは面で合う、を覚えよう

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こんにちは。しばらく撮りたいものがある場合のテクニックについて書いてきましたが、今回はもう一度基礎に立ち返ってピントについて学んでいきましょう。そろそろ色々撮ってみて体で覚えているという方もいると思いますが、写真を撮る上でピントあわせはとても大事。しっかり理解していきましょう。


といっても別段そう難しい話ではありません。今回のお話は「ピントは面で合う」です。
面で合うってどういうこと?とお思いの方のためにとりあえずまず作例です。
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ご覧のとおり、左が被写体を正面から撮った写真、右は被写体を少し斜めに配置して撮った写真です。さて、どこがちがうでしょうか?
そうですね、右側の被写体が右側の写真ではピントがあっていません。
もう一つ重要な事があります。机のヘリです。
ピントがあっている方の被写体とだいたい同じくらいの位置の机のヘリをみてください。そうですね、ちゃんと輪郭が残っています。が、その前後はピントがあわず輪郭がぼやけています。
この作例の意味するところは、カメラからみてピントの合っている被写体とほぼ同じ距離にある場所にもピントが合う、ということです。これが「ピントは面で合う」、という意味です。


うーん、よくわかないなという人のためにさくさくと次の作例です。
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これはほぼ真上から撮った写真ですが、手前の黒い筒(フィルムケース)の上面にはピントがあっていません。が、その他の丸(135mmフィルムです)の上面にはピントがあっていますね。残念ながら完全な真上からではないので一番手前と一番奥の丸はそれぞれ一部ピントから外れていますが、手前のフィルムケースほどではありません。同じ高さのものにはだいたいピントが合い、そうでないものはピントから外れます。なぜならピントは面で合うからです。

上からと正面からだと、「で、ピントが面で合うからなんなの?」と思われる方もいると思うのでもう少し実用的な例を出していきましょう。
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フィルムが増えました。斜め45度位からの撮影です。
中央の写真にはピントの合っているところに赤まる印を付けてみました。結構色んな所にピントがあっています。
一番右の写真はピントの合っている点から推測されるピント面です。そうですね。結構傾いています。結構傾いているおかげで、高さの高いものにも、手前にあるものにも、奥にあるものにも全てにピントがあっているというわけです。


一眼レフの写真は携帯電話のカメラやコンパクトデジカメなどに比べ背景を大きくぼかした写真を撮れるというのがひとつの醍醐味です。が、被写体までボケてしまってはなにが撮りたかったのかよくわからないという結果になってしまいます。作例の3つめのように、背景は適度にぼかしつつ、見せたいものにはきちんとピントを合わせる、ということができるようになると、グッと写真が見違えます。是非練習してみてくださいね。

では次回もお楽しみに!