12. 植物撮影の3つのコツ

こんにちは。
今回は植物撮影についてちょっとしたコツを書いてみたいと思います。もちろんこのコツの通り撮らなくてもまったく問題ない場合が多いのですが、なぜか写真で撮ると綺麗にならない…という場合に思い出していただければ幸いです。

1. なにか足りなかったら水を吹きかけてみる

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多くの植物は水をかけた後のほうが元気になります(やり過ぎると根腐りして死んでしまいますが…)。どうも色が綺麗に出ないとか、なにか足りないという時は多分植物自体がすこし元気をなくしている時かもしれません。
左側の写真は晴天の下のあじさい、右側は雨の中のあじさいです。あじさいは雨の季節の植物なのでなおのこと水のあるなしで雰囲気がぐっと変わります。晴れの日のあじさいもそれはそれで良いのですが、左側のように枯れかけている部分がフォーカスされてしまうとちょっと元気がなさそうに見えてしまいますよね。

2. ピントをあわせる位置に気をつけよう

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前後関係がわかるようにピントを合わせる

植物は当然ながら立体で、しかも人がその造形をかえることは多くの場合できません。こういう場合は特にピントがどこにあっているかに注意しましょう。
第19回の「ピントは面で合う、を覚えよう」でも書きましたが、レンズと被写体の位置関係によっては、予想しないところにもピントが合ってしまう場合があります。それで全体的に必要なところにはピントがあって、そうではないところはボケているのなら問題ないのですが、妙なところにピントが合ってしまって、この花は一体どういう形になってるの? なんて感じるようでは問題です。
基本的に静物では、前後関係がきちんと分かるようにピント面は調整しましょう。

作例では花束が左側に向かってすこし倒れています。つまり、中央付近にある花が一番見ている人の近いところにあります。この写真の場合は全部同じ色のバラが花束になっているので、見る人に一番近いところにピントを合わせて、距離に応じて徐々にボケていくほうが、写真を見る人は混乱しません。もし全部違う色をしているとか、一本だけ違う色をしていて目立つ場合などは、見せたい花にピントをあわせ、その花からの距離に応じて徐々にボケていくと、まとまった印象の写真になります。

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見せたいところにピントが合っていない

こちらは失敗例です。失敗例ですがピントの話なので大きな写真でお送りしています。
このあじさいのピントは額の花びらではなく、かといって雄しべと雌しべの部分の一番カメラから近いところでもなく、適当にバラバラとピントがあっているようです。ガクアジサイをパッと見た時にはやっぱり花びらの方に目が行くので、特に理由がなければ花びらにあわせる方が良いのではないかと思います。

3. 背景は暗くする


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空を映す場合は別として、植物は葉っぱや花びらの集合となっているせいで案外ごちゃごちゃとしています。このため、背景までばっちり映すとなんとなく雑然とした写真になりがち。背景を暗くするのはあとからでも加工可能なので、確認したときになんとなくうまくいってないなーと思ったらちょっといじってみましょう。


というわけで3つのコツをご紹介しました。もちろんこのコツは基本の話なので、理解した上であえて崩すというのは大いにOKです。ただし、どうして崩したのかということをきちんと説明できるようにしておくと、写真に説得力が出ます。うまくいったらどしどし公開してみんなに自慢しましょう。
では、次回もお楽しみに!