16. ハロとフレアとゴーストと

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こんにちは。
今回はレンズの性能に関するお話です。撮影テクニックというよりはアドバンストな知識として知っておくといいですよーというくらいのお話なので、どうか気楽に読んでくださいね。


さて、では本題ですが、レンズ交換式のカメラで撮った写真の良し悪しは、カメラ本体はもちろんのことレンズの性能も結構関係しています。レンズが変わった途端写真が変わった!なんて経験をされている方もすでにいるのではないでしょうか。
ただ、レンズはガラスの塊のためどうしても避けることのできない性質が3つあります。これがタイトルに有る「ハロ」「フレア」「ゴースト」です。最近のレンズはこれらをできるだけ排除するように設計されていることが多いですが、これらが出にくい環境下での撮影というのもやっぱり大事なことです。

フレア

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フレアは強い光がレンズに入った際に、レンズ上で光が反射したりなどして画像全体が靄がかったように白くなる現象のことをいいます。フレアが起こると全体的に写真が白っぽくなるだけでなくコンストラストが低下してぼんやりとした写真になってしまいます。携帯電話についているカメラなどはシャープさがかけていることが多いですが、あれはレンズの性能があまり良くないうえに広角で強い光を拾いやすいので、フレア現象が起こりやすくなっているわけです。
フレアが起こらないようにするには、とにかく強い光をレンズの中に入れないようにすることが大事です。一番いいのはレンズを絞り気味にして適切な露出になるように設定することですが、レンズフードをつけるだけでもだいぶ違います。

また不幸にしてフレア効果のでている写真を撮ってしまった場合は後処理でコントラストを上げたりシャープネスを上げたりなどしてどうにかすることもできます。ただやっぱり、最初からばっちりの写真のほうが手間が少ないですよね。

ゴースト

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写真の中の赤い丸のところをよく見てください。なんだか道の上に青い光が写っていますね。これは信号機の光がレンズ内で何度も反射して変なところに出てきてしまった結果です。この写真はすこしトリミングしているので青信号そのものは映っていませんが、予想しないところから突然妙なものがあらわれるので、ゴーストと呼ばれています。

ゴースト現象はフレアと同じく強い光がレンズに入射された場合に起こりやすくなります。対策としてはフレアと同じくフードをつけて強い光が直接はいらないようにしましょう。また、レンズの前玉保護のためにレンズフィルタをつけている場合、このフィルタのせいでゴーストがでてしまうことがあります。一旦外してそれでもゴーストが出るかどうかちょっと確認してみてください。


こちらの例はフレアとゴーストが両方でている例です。

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夕暮れ時などは特に太陽が低いところにあってレンズに直接入りやすいので良く注意しましょう。


ゴーストに関しては絞りを絞っているかどうかに関係なく出るので、出てしまったら諦めるしかありません。いっそ演出のひとつにしてしまうのもいいかもしれませんね。

ハロ


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ハロは光がレンズを通る時にレンズのせいで光の経路が歪んでしまった結果おこる現象をさします。日本語では収差という場合もあり、性質によって色収差といったり光収差と言ったりします。例の赤丸で囲った部分ですが、赤信号のライトの外側に赤い丸が広がっているのがお分かりでしょうか。これがハロです。ハロは絞りを開放にしていると出やすくなるといわれていますが、絞っていても長時間露光をしたり、もしくは非常に明るい光源を撮ると発生しやすくなります(LED光源は発生しやすいみたいです)。また、画像処理で目立ってきてしまう場合もあります。

マルチコーティングされているものやAPOなどという名前がついているものは収差を最低限に抑えたものになりますが、初心者用のレンズの場合はハロがでやすいものも少なくありません。しかしレンズの性質上、取り除くのはほんとうに難しいので、後処理で取り除くのがよいのではないかなと思います。いくつかの画像編集ソフトではハロを取り除くとか、色収差を取り除くというメニューがあるとおもうので、これを利用してさくさくと消しましょう。また、先ほど書いたとおり開放にしているとでやすいので、ハロが出ているなーとおもったら気持ちめ絞ってあげるとましになります。

その他、画像編集をしすぎてハロが目立ってしまう場合もあります。特に明るさをいじったり、コントラストを強めると目立ってくることがあるので、編集の際にはハロが出ていないかな? 大丈夫かな? と気をつけるよう心がけましょう。


というわけでレンズに関する知識を覚えようという回でした。いかがでしたか? 写真はほんのちょっとの差が大きな差になってあらわれます。だいぶ写真を取り慣れてきて、周りにあるものはだいたい撮ってしまったかな、なんてマンネリを感じたときはちょっとこういったことを気にかけてみましょう。初心者からぐん、と成長することうけあいです。
では、次回もお楽しみに!