こんにちは。秋の夜長はなにをしますか? そうですね! 写真撮影ですね!(注:この記事は2015年に書かれたものです)
さて、そんな夜の室内撮影に照明は不可欠ですが、どうしてもイメージ通りの写真にならないことも…今回はそんな時のために、もう一灯足して光をコントロールする方法です。
さて、ではまずお題の説明からです。
被写体桃です。蟠桃という平たい桃で普通の白桃より甘みが強いのが特徴です。買ってきたのでとりあえず撮影してみたのですが、うーん、ちょっと納得いかないなぁ…というのがこの状態です。
この撮影時、部屋の照明がちょうど真上にあり、スポットライト上に桃を照らしていました。外は暗いので太陽光は無視できます。
写真の中にも書いてありますが、桃の手前側が影になっていること、ピントがあっている斜めに置いた桃が少し暗いかな? というのが気になるところですね。これを解決するために手持ちライトを用意して、いろいろと設定を変えてみます。
まずは主役の桃にもう少し光を当ててやろうということで桃に垂直に光が当たるように照らした図です。
とりあえず主役の桃は全体的にきれいに見えるようになりました。天井のライトだけでは暗かった部分も明るくなっています。が、背景が暗いですね。
これはカメラに入ってくる光量が増えたので露出を少なくした結果、近いところではちょうどいいけれど、遠いところを映すには足りなくなってしまったからです。いわゆるフラッシュを焚いた状態です。
背景もやっぱりいれたいなーということでライトの位置をレンズの後ろまで下げ、今度は正面から照射してみました。
主役の桃は特に問題ないのですが、主役の桃より手前にある桃が明るくなりすぎて色が飛んでしまっています。これは光が近すぎるせいなので、さらにもう少し光を遠ざけましょう。
主役の桃には少し影が出てしまいましたが、問題ない程度です。手前の桃の色も綺麗にでており、ちょうど良さそうですね。
もちろん、照明の当て方というのは別段ひと通りではありません。色を見せたい、全体的に見せたい、面白い形を見せたい…など色々な方針が考えられます。たとえば、凸凹した形を表現したければ、影で表現したほうが良い場合もあります。
このセッティングでは上からの光に加え、赤い矢印の方向から光が当てられています。影の濃さをみるとわかりますが、かなり近いところから照射していますので、一番近いところは白飛びしてしまっています。ですが、白い矢印で示したあたりには微妙な凹凸が影で表現され、絵画チックになりました。白飛びをしないようにライトを遠ざけると凹凸が見えなくなってしまうので、この場合はこれがちょうどよい照明です。
手持ちライトを用意するのは面倒だ、フラッシュを使えばよいのでは? と思う方もいらっしゃるかとは思いますが、照明の勘所をつかむためには撮影時と撮影前のセッティングが同じになる手持ちライトの方がおすすめです。手持ちライトといっても携帯電話のライトで照らす程度で十分かわりますから、ぜひ自分で色々試して照明技術を体得してみてくださいね。手持ちライトでどこにどうやって光を当てるべきかということがわかるようになれば、フラッシュも同じ場所に光をあてるだけなので、それほど難しくは感じないと思います。
というわけで補助照明のコントロール方法のお話でした。光を適切に使うのは難しいですが、ここに光が足りない時はどうすればいいか…などというように考えていけばだれでもちゃんとコントロールできるようになります。何度も書いていますが、マスターするためには自分で試してみるのが一番大事、光が欲しいなーというときはぜひライトをぐるぐると動かしてみてください。
では、次回もお楽しみに!