26. 雰囲気のある写真とそうでない写真、どこが違うの? 視線の誘導について考えよう。

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こんにちは。
なんだかこの人、いい写真を撮るなーって思うこと、ありませんか? 最近はWeb上で画像共有サービスも多いので、お気に入りの写真家がいるという方も少なくないかと思います。同じように撮ったつもりなのに、同じようなカメラを使っているはずなのに、なぜかあの人の写真には雰囲気がある…なぜだろう?
その理由の一つが「視線の誘導」です。

1.写真の中にいる人物の視線の先に主となる被写体をおく

普段生活をしている中で、たとえば誰かが何かを指差していたり、みんなが同じ方向を見ていたりするとちょっと気になりますよね。これは写真の中と外でも同じです。


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この例ではみんなが中心にいる子豚を見ていますので、すぐに子豚に視線がいきますね。よく見ると引き綱を誰も持っていなくてあれ? となるんですが、ほのぼのとした雰囲気は伝わるかと思います。

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こちらは残念ながら視線の誘導に失敗した例です。猫の視線の先に何もないので、単なる猫写真になってしまっていますね。猫が可愛いのでそれだけでも十分なのですが、視線の先、つまり獲物かなにかが写っていれば、かわいい以上の雰囲気が出ていたかと思います。


2. 動きを感じさせる

写真は一瞬を静止画にするものなので、あまり動きを表現することはできない…と思っていませんか? 確かに難しいことなのですが、それゆえに動きのある写真は「躍動感がある」などといわれますね。雰囲気のある写真では躍動感が大切です。
さて、この動きをどう写真で表現するか、という点なのですが、方法はいくつかあります。例えばシャッタースピードを遅くするのは一番簡単な方法でしょう。でも視線の誘導でも、動きを感じさせることはできます。
物が動くと、なにかしらの跡ができます。わかりやすいのは船が通った後の波。


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このような航路があれば、先頭には何があるんだろうと気になりますよね。先頭に被写体を置くと、ぐっと雰囲気が良くなります。
また、足あとや道などでもおなじです。この道の先に何があるんだろう、足あとの主は…?と気にさせておいて、はっきりとは映さないというのもまたオツなものです。足あとや道がなければ、後は光を使いましょう。


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光が射しこむことで道があるかのような錯覚をしますね。光の根源には必ず光源があるわけですそれほど想像力はかきたてられない…いえ、そんなことはありません。ご存知のように写真とは光がもっとも重要なファクターの記録物です。光があれば影がある、光の射さないところと射すところにはギャップがあり、それが視線を誘導します。


3. 額縁効果を狙う

たとえば山登りをしている時、鬱蒼とした森が切れて絶景が目の前に現れたら感動しますよね。あるいは扉を開けて外の景色を見た時に感動を呼び起こされることがあるかもしれません。なにもない(いつもどおり)のところから、非日常への移動。これも視線の移動です。
1枚の写真の中でこれを実現する手法としてよく知られているのが、額縁効果とよばれるものです。

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やり方はとても簡単。実際に私達が感動を感じるように、鬱蒼と茂る森のなかから景色を撮る、窓枠をいれて窓の外の写真を撮る、扉を開けてその向こう側を撮るなどです。この時にどこにピントを合わせるかは人それぞれなのですが、個人的には扉や窓枠、つまり日常と非日常の境界を引き立てるほうが良いのではと思います。が、好き好きなのでその時に一番いいと思ったものを選択してみてくださいね。


というわけで今回は初心者から一歩踏み込んだちょっと上級テクニックをご紹介しました。いかがでしたでしょうか?もちろん、これらのテクニックも重要ですが、一番大事なのはなによりもこの先に何があるんだろうとか、このギャップがすごいなどと感動する心です。カメラを持つときはぜひ童心に返っていっぱい感動してみてくださいね!
では、次回もお楽しみに!


参考:
wonodas.hatenadiary.com