こんにちは。びっくりするくらいあたたかい日と真冬に戻ったように寒い日があると、春が近づいてきたなぁと思いますね。こぶしの花がずいぶんほころんできたので、いつ咲くかと毎日楽しみにしています。(注:この記事は2015年に書かれたものです)
さて、今回はそんな春最大のイベント、桜の撮影テクニックについてお話しましょう。
桜は白い花が集まっているので写真を撮影しようと思うとかなり難しい被写体です。晴れた日のお花見は楽しいですが写真では花が全部白飛びしていたり、まだまだ日が短いこともあって撮っているうちに夜になってしまったり…しかも咲いている時間が非常に短いので、うまく行かなかったから来週も!というわけにもいきません。ぜひ撮影テクニックをマスターしてきれいな思い出を残してみてくださいね。
1. 一房だけを撮る
桜、特にソメイヨシノは花が房のようになっています。この房を一つだけ入れ、後はぼかしてしまうと明るい春の雰囲気を出すことができます。成功例はよく見かける桜の花の写真になっているので、今回は失敗作の方に注目してみましょう。
左はいくつもの房に焦点を合わせてしまった場合です。見た瞬間にうるさい、と思われたかもしれませんが、桜というのは結構花びら以外の部分も主張をするんですね。人の目は都合よくこれを無視してしまいますが、カメラはそういうわけにはいきません。そのため、必要なところ以外はぼかして全体的に白くしたほうが綺麗に見える、というわけです。
じゃぁ全部ぼかしてしまえ、ということで非常にぼかしたのが右になりますが。これは「うわっ…私の写真、ボケすぎ?」という状態になってしまっています。ぼかし過ぎもほどほどに。
2. 順光・逆光に気をつけよう
桜を撮影する場合は空を仰ぐ形で撮影することも多いですが、空というのはものすごく大きな光源なので、よく気をつけて場所を決めないと逆光下の撮影となり、桜の花がくすんだ灰色になってしまうことがあります。最近は画像編集ソフトの性能がよいのであまり逆光には気にしなくてよくなりましたが、そうはいっても桜の場合は別。花が白いので暗い部分だけを明るくしようとすると白飛びしてしまうなんてことが起こります。
花は眩しかろうが眩しくなかろうが同じように咲いてくれますので、太陽を背中にして桜を撮るように心がけてみてください。
失敗例はこちらになります。
真昼に桜を下から撮影するとどうしても逆光になってしまいます。桜撮影は多少日が傾いてからにしましょう。ただ、傾きすぎると順光でも光が強すぎて花が白飛びする、ということがあるので狙い目は午前中から昼下がりです。個人的には人が少なくゆっくりと撮影できるので午前の早目の時間がおすすめです。
また桜の撮影は曇りの日をねらったほうがよいです。雲があると、雲がデフューザ(光を減衰させる器具のこと)がわりになって均一に花に光が当たるからです。ちょっとお花見には寒いので、あたたかい飲み物を確保して風邪を引かないように気をつけてくださいね。
3. 背景に注意
桜の花は白いので、背景が白いと花が背景に溶け込んでしまってあまり目立ちません。青い空を背景にするのが本当は一番良いのですが、この場合は前述のとおり光の向きを気をつけなければなりません。
基本的に桜の花の背景は黒っぽいほうが桜が引き立ちます。作例は梅の花なのですが、背景は川、ちょうど光がさして川面が光っており、いい雰囲気になりました。
どうしても近くに川がない、黒っぽい背景にならない!という場合は桜の木の幹を使うという手もあります。作例はちょっと色が独特に出てしまっていますが、花の白さが引き立つことはお分かりいただけるかと思います。
ただ、背景が黒っぽければOKとか、背景が川ならいつでもいい写真になるかというと、そういうわけでもありません。
満開時ならここもきっときれいだったんでしょう…やはり時期をはずさないのが一番大事ですね。またこれくらいの距離で撮影するならもう少し望遠のレンズを使って右側の藪が写らないようにしたほうが良さそうですね。
4. 散る花びらを撮る
桜は散り際が美しいといいますが、写真を撮影する場合も散り際のほうが色々と撮る楽しみがあります。花びらの飛んでいるところを撮影したり、花びらを追いかけている人を撮影したり、雪のように降ってくる花を撮影したり…あえて花びらをぼかしてみてもいい雰囲気がでるので、お好みでいろいろとってみてくださいね。
というわけで桜撮影のテクニックでした。いかがでしたでしょうか?今年は張り切って撮りに行ってみようかな、なんて思っていただけたら幸いです。
では、次回もお楽しみに!