SF創作講座を応援するダルラジに出演したよ~

興味ない人もいると思うのでた(ry


第一回SF創作講座生の高橋さんとアマサワさんがはじめたダールグレンラジオ、俺もお世話になりました。
んで今期からメインパーソナリティが伊藤元晴さんと升本さんに交代になったんだけど、今回升本さんがお忙しくておやすみっつーことで、去年ほそぼそと全梗概に一言コメントかいてた俺がゲスト出演しました(そういうことだったのか?
偉そうになんか言ってますがこいつなんもわかってねぇなって生ぬるい目で蔑んでください(違う(そういうんじゃない

○○○○のだるらじ!scifire.org




school.genron.co.jp

「長距離」ってのを単純な物理的距離にするかどうかがアイデアのキモだな~と思ってたら結構みんな普通に物理的な距離を書いていた。超短い距離であっても時間がめっちゃかかる(主人公がすごく小さいとか微生物とかなんらかのSFギミックがはたらいてるとか次元間とか)というアイデアもありだし、概念間の距離(不可逆なはずのものを逆行するとか、生と死とか)もありなんだけど、あんまりなかったですね。まぁなんでも面白きゃいいんだけどさ。
話の構造は「ずっと移動し続ける」をうまく語ればいいと思いますが。


講座生じゃないので講師との評価の差はつけません

作者 タイトル 感想 推し度*1
天王丸景虎   ビーヨンの”お友達”リスト   ビヨーンズじゃないのか。。。「記憶を失い」、が唐突すぎてびっくりする。
話は王道スタイルなのでうまくかけば面白いだろうと思うんだけど記憶を失ったところ持っちょっと書かへんとあかんくない?
2
稲田一声   移動症候群     移動症候群というアイデアと脳に錯覚させるアイデアは面白い。SFとして楽しむのなら、脳に錯覚させるアイデアのところに重点を置いたほうが良かったんじゃないかと思うな 1
今野あきひろ   √チョコレート16   16の数字にこだわりがあるのか…と思ったけどその後特にプロットに16が関わっていない気がするのでもったいない。幻想文学なのかな?得意なタイプの話じゃないのでよくわからんが、そういうのが好きな人に読んでもらって評価してもらうが良いだろうと思う 3
藤琉   勝利する銃弾   山形のセリフのテンポの良さがいいんだよね。テンポの良さを突き詰めていく作風にすると独自性が出るのかもしれない。というかこの話は何千文字か追加してショートショートでまとめるくらいがちょうどよいのではという気がする。
それにしても主人公可愛そうだな~~
2
甘木零   最良の友・たち     なんか牛が出てくるあたりから面白くなったw
274の意味が知りたいと言うのと距離ではなく生命の進化という時間的に長い旅をお題にとればしっくり来るのではという気がする細かいことを言うと触手が突然出てきたり、真実が突如わかったりするあたりをもう少し丁寧に書いてほしい。あとタイトルもっとかっこよくしてほしい。今までの甘木さんとはちょっと違う感じ
1
中倉大輔   あんたはそれでいいのか?   小太郎の所有にすればいいじゃんと思ったら最後で叙述トリックだった、というのはよかった。が、それにしたって遺族はいるだろうからいきなり廃棄ということにはならないだろうし、ヒューマノイドが遺品を受け取りに行くというのはちょっと不自然のような。そのあたりをうまく説得するようななにかがほしい。あとそんなに長い距離じゃないし、移動し続けてもいないような?もっとこう、ロードムービーみたいなやつを期待されてるんじゃないかと思うんだが 1
夢想真   サイレント・ウォーキング   ディストピアもの。ディストピアものとして話の流れは悪くないのだが…36世紀にしては文明が現在と地続きすぎるので1200年くらい巻き戻したほうがいいと思う。そもそもそんな非効率なことしなくても発電方法はあるだろうと思うのでちょっとね 2
古川桃流   聖火とホタル     なんかお仕事SFとしての苦労がにじみ出てていいですね。そういうこといいたくなることあるわ~みたいな。ただホタルのすごさがあまりわからない(現状の技術でできるし5G使えば衝突問題は回避できるんじゃねぇのという)のと、小説よりも映像メディアとかのほうが相性良さそうな話だなと思った 1
榛見あきる   マスティクスにもう一度   つかみがうますぎるだろうwさいごにジョセフのハッキングだってわかったところで終わりにしても良かったんちゃう? 1
よよ   銀河巡礼   時間障害なるものがなにかよくわからなかった。話としてはまあそうなのかななのだが盛り上がりにはかけるような 3
品川必需   ネムとサラ     「中世。ママチャリに乗って」のつかみはOK。なんだけど話はうーんー王道かなあ。そんなにママチャリが有効活用されてないのでもったいない。あとタイトルが凡庸すぎるのでどうにかしたほうがいい。あんまり移動してないな 2
式   魔王城   進行不能のバグに突き当たってしまうのは面白いがそこをどうにかするほうが物語としては面白んではないかな~まぁやりすぎると百万畳ラビリンスになってしまうわけだが… 2
岩森応   挫傷するシテンズ   シテンが流転するはなし? うーん苦手なタイプのやつ 3
武見倉森   RETINA     ちょっと導入がどういうことなのかよくわからなかったのとこの話の魅力はどこなのかと考えるときにそれが梗概にあらわれていないような気がするなあ。話がわりと一本調子なのでもうちょっとひねりがほしい。ウィルはずっとイグジットのみかたなんでしょう 3
比佐国あおい   碧(みどり)の雪は聖母の腐爛   これはロードムービーでファンタジーだな~~~好きなんだが実作を読まない限りはなんともいえない 2
渡邉清文   爆音オルフェウス冥界からの帰還   もうね、タイトルから勝利すぎるでしょう。内容もひにくじみてて好きだし細かくネタを挟んでくるところがにくい。ただこれはショートショートでは… 1
黒田渚   エレクトリカル・ジャーニー   電脳世界と現実世界でわたしたち、いれかわってるぅ~!?ってなった挙げ句アメリカまで冒険する話。序盤高揚感アリ途中喧嘩あり最後はハッピーエンドの王道エンタメで面白かった。が、企業の役員がいいやつすぎるのでどっかに黒幕がほしい。なんかピクサーの脚本ぽくなりそうだが、それはそれでありなんじゃないか!? 1
九きゅあ   ダイバーの墜落日和   うーん、最初は面白くなりそうかなと思ったんだがだんだんボドゲのゲーム説明みたいになってきてよくわからなくなってしまった。 3
宇露倫   さくら咲くまで   ん?なんで腹の中に女の子がいるのかよくわからないんだが…そこが解決されるのかと思いきやされなかったのと老人が特に意味がなかったのでずっこけてしまった。老人が女の子の親or祖父とか、純血主義派の親玉だった
とかだったら面白くなりそうなのに。
3
藍銅ツバメ   神隠しの後遺症   ホラーですね(メガネくい(メガネしてないけど。ホラーとしてどうなのかはよくわからないが、そんなに意外なポイントがないので描写で勝負というひとなのかな?あと移動し続けてないですね 2
中野伶理   二人の世界絵図   ちょっとリアリティレベルがうすすぎてよくわからない。あと移動し続けてないですね 3
西宮四光   涙が雨に消える前に   うーん、機械反乱ものとしてはありがちすぎるかなあ。この梗概の終わったところから話が始まるのではという気がする 3
泉遼平   ライフイズインフィニティ   人生ゲームで∞が出る時点で勝利してるんだけど、最後に夢オチにしちゃったのだけ蛇足だな 1
藤田青土   火種     大変にいい。リアリティレベルが物語の全体で揃っていて物悲しくて移動し続けていて最高だ。最後にあっけなく死ぬところもいい。激推し 1
宿禰   2つの船   進み続けてなーい!ノアの方舟が出てきた時点で結末が見えてしまうのでもうちょっと裏切ってほしかった 2
東京ニトロ   渦を追う     平成…だと…?そこになにか謎が隠されているのかと思ったら出てこなかったよ!
ルポもの形式は面白そうなので読みたいが、結局竜巻がなんだったのか解決されるのかね?されないのかね?そこが気になりますね
1
一徳元就   虚仮の一念、為せば成る、か?   なんかでっかいバトルが起きそうな感じは見えるのだが、移動してる感じがないんだよなあ 3
宇部詠一   重力崩壊と私掠船、その船医と強欲な商人 正統派なエンタメの流れなのだが、正統派すぎて意外感がない。まぁでも書いたらうまいからなぁこの人 2
揚羽はな   シエラのオアシス   いっそもっとメロスをパロってよかったんじゃないだろうか?最後ハッピーエンドなのはらしいなぁ、と思った 1
遠野よあけ   銀河ダークツーリズム・ガイド   話自体は気になるのだが、構成かえるとだいぶ違うんじゃないだろうか。もっとミステリーに寄せて最後に解決編で実際は誰が殺したのかわかるみたいな話のほうがいい気がする 2

ていうかみなさんふつうに読みやすいまともな梗概書きますな、、、第六回って俺はシンシアバ書いた時か…メインパーソナリティの伊藤さんなんか「火星の原節子」書いてたで(それはそれでウケたけど

実作の方は4つ読みました(中途半端なのもありますが)

school.genron.co.jp
推しが突然消えたことのある人間にはわかるやつw亀田の性別が途中までわからなかったので混乱した。前半は地の文が多いし心情描写もちゃんとしてるが、後半セリフだらけになっており時間が足りなかったんだろうか感がある。
が、話の骨格がちゃんとしてるのでそれなりにすいすいと読めて面白かった。

school.genron.co.jp
世界設定は凝ってるんだが、それだと別に色ごとに住まなくてもよくない?というあたりが気になったりした。物語のための世界設定になっている気がする。
あとやっぱ描写が単調なのと心情描写があんまりないので緩急がそれほど感じられず途中で退屈する感じがする。これ自分で気づくの難しいからな~~~がんばってほしい


school.genron.co.jp
梗概がめちゃくちゃ好みだったので実作も読んだ。いや好みだわ。描写に描写をひたすら重ねていくのがいい。

西階段の踊り場からは晴れ渡った青い空が見える。壁にもたれたまま大きく深呼吸をして目を閉じると、僕は数日前に閉架書庫の隅で見つけた一冊の本のことを思い出していた。朱色の布張りの表紙の一人の作家の短編集だった。その中に、僕と同じように図書館で泣く男がいた。図書館の非常階段で赤いスカートの少女の幽霊に出会う男は、何もかもが悲しいと泣いていたっけ。

こういうとことか。後半のホットミルクのところもよかったな。
ただ前半図書館が閉館になるまでのくだりのところで掌編として完成してしまっている気がする。後半の羽が降るのに微妙につながってるけどあまり関連性がないので別の話のように感じる。がまあそれぞれの掌編としてはとてもよかった。最後の一編で話がひとつにまとまる連作掌編みたいなかんじなのかな?最後までちゃんと書いてほしいですね。たぶん講座でたたかうとなると不利かもしれないが、破滅派だとめっちゃウケる作風だと思う(なんだそれ

school.genron.co.jp
最初いきなり走っているところからはじまるでしょ。そういうのすげーうまいなーと思うんですよね。ここらへんまで読者を引っ張れればOKみたいな感覚がご本人にちゃんとあるんだと思う。
シーンの切れ目もうまく物語のギミックとして使えてる。
ただ人物描写が極端に排除されているのと動作の描写が何故か非常に紋切り型かつ種類が少なく心理描写も少なめなので、その辺がこの物語の弱点になってる気がする。後半はセリフで説明しすぎ。最初がいいだけにもったいない。

*1:三段階で数字の小さい方が推し