2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

台所が好き。

君の立ち居振る舞いから、その人生のさわりを推し量ることはできる。行動パターンや表情や、距離のとりかたやあるいは照れ方、頑固さに、同じ匂いを僕は嗅ぎ取ることができる。君だって多分そうなんだろう。

僕は相変わらず、仲間として認めてもらえていないのだった。

歩みゆく、音を耳に携えて

私の耳は、君の声を探して彷徨っている。

夜を思う

ご好評頂いたのでちょっと調子に乗って。 - 命の水、と僕はそれを呼んだ。 白い息を吐きながら夏に焦がれていた僕だったが、実際の夏がやってきた時、僕はほとほと疲れ果てていた。 西日差し込む部屋は日中窓を締め切っているせいかサウナのように熱く、その…

雪の日

音もなく雪が降っている。ただしんしんと雪が積もっている。街灯がぼんやりと闇を染め、その中を微かにきらめきながら粉雪が通り過ぎていく。 街灯の下を歩く男がいる。男は背を丸め、傘を重そうに傾けてのそのそと歩を進めている。その歩みは遅く、大股で歩…

夜明けを思う

朝に気づいたのは、鼻の頭が凍りついていたからだった。 2003年の冬の終わり、僕は古い四畳半のアパートに住んでいた。暖房はなく、冷房もなく、換気扇もない、ガスコンロが唐突においてあるだけの嘘みたいなキッチンで、僕は毎日料理をした。風呂はなくトイ…

どうにかすることくらいお茶の子さいさい。

全部忘れちゃってるみたいと僕は言う。そういう病気だからね、しかたがないんだ。あの人は妄想の世界の中で生きてる。妄想と現実がずれると憎しみが生じて誰かを罵る、そういう病気に罹ってるんだ。それで、自分が病気だってわかったら、過去のことは全部な…

風に乗って広まる彼の確信に満ちた熱い声が、人々の耳を興奮させたのだ。

その景色は時々泣き出したくなるほどに美しく、思わずたじろぐほどの色彩を持って私の胸に迫ってくる。そのすべてを残しておきたいと、写真を撮リはじめた私は思うようになった。

あけましておめっとうさん。