ちらりと見えたケータイの画面に「かーちゃん」という文字がずらりと並んでいたから、思わず笑みがこぼれた。
知らない誰か。
もう二度と見かけることもないであろう、誰か。
その一瞬に気づかないまま通り過ぎてしまうようにはなりたくないな。