お代で書いてみたけど長くなっちゃう上にまとまりがないのよなー

美しさは毒である。体をむしばむ劇薬である。
きっと、恋をしたのだろうと私は思った。恋の相手はいきものではなかった。きれいに整列した文字列だった。その文字列はいかにも美しく、整然とした世界を為し、ひっそりと誰にも知られることなく淡々と仕事をこなしていた。私はその文字列を撫でるように目で追い、意味を理解しようと眉間に皺を立てて考え込んでいた。何日も、何日もそうやって過ごしているうちに、美しさはやがて私の心の中に染み入っていた。ちょうど窓の外に降る、静かな梅雨の雨のようにひそやかに。
私はそうっとそれを手に包もうとしてためらう。少しでも触れれば壊れてしまうのではないかと恐れる。雑然とし、矛盾と無駄を孕んだ世界が、ぐるりとそれを囲んでいるのが見えるからだ。境界線は目をこらさねばわからないが、しかし存在していることは明らかで、美と醜の境界線は確かに指でなぞることができた。美は凛としてそこにあり、なにものをも寄せ付けない気高さを持っていた。
だが、私は醜の側の人間だった。私の体を構成するすべてが整然としたそれらを相容れなかった。相容れないからこそ私はそれにひかれ、嘆息し、時間も忘れて眺めていたのだった。悲しみが私の心をひたひたと満たし、恋い焦がれるがゆえに私はそれを憎んでいる。美しさは劇薬のように私の心を苛み、少しずつ息の根を止めようとしているのである。
醜さは救いである。あらゆるものを許す優しさである。
醜さがもう少し、お人よしの顔をしていればきっと。毒を飲んだりなどはしないのだろうに。



背後から爆発音がしたので、振り返った。をかいてみようかな。