相変わらず自転車に乗っているとバカなことばかり考えてしまう。
僕は耳をすませばの二人が恋に落ちる必然性が分からない。それは単に仲良くなっただけでどこで恋に落ちているんだろうと僕にはわからない。忍び寄るようにひたひたと迫ってくる水のようにその思いが心を満たしたような雰囲気もなく、胸を掻き毟るような悲哀もなく、仲良くなったのが異性だったら恋なのか。と、時々思ったりする。でも、とその後に僕は笑う。
僕はきっと理由づけを探している。僕はきっと何かがあるんだと思っている。僕は、運命とやらを、信じたいのだと思う。必然性を感じたいのだと思う。なるべくしてそうなり、離れる理由がない何かを求めている。物語にあこがれる子供のように、僕は。
馬鹿だなぁと笑いながら僕はペダルを強く踏む。誰かが、あぁそうなんだなって簡単に想像できる理由があってもなくても好きなことに変わりはないのに。どうやって出会うかよりもどうやって日々を過ごしていくかを考える方が難しいのに。僕はいつまでたっても時々とんでもなく子供じみている。