17. ちょっと難しい光源の話

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こんにちは。今までは露出の話ばかりしてきましたが、露出だけではどうしようもないこともある……というわけで、今回から少しずつ光源の話を混ぜていきたいと思います。いずれにせよ同じ被写体を撮影した時に写真の雰囲気を決めるのはなににおいても光。しっかり光を操って思い通りの写真を取れるように頑張りましょうね!


実は以前光源の話は少し書いていますが、「光源とはさみは使いよう」なところがあるので、ひとまず詳しく知っておくのは光を上手くコントロールするための第一段階です。今回は光源の大きさについてお話したいと思います。

大きい光源と小さい光源

大きい光源/小さい光源ときいて皆さんは何を思い浮かべますか?大きい光源と言えば……例えば野球場のナイター照明とかでしょうか。小さい光源は懐中電灯やレーザー光源あたりを思い浮かべる方も多いでしょう。そうです、光を発している点の大きさです。

しかし、残念ながら写真における大きい光源/小さい光源というのは光を発している点の大きさではなく、面に対して垂直に当たる光の面積の大小を指します。確かに光源そのものの大きさと面積は比例することが多いですが、光を発している点の大きさによらず、反射や拡散、もしくは複数の光源を使用することで大きい光源を作ることもできてしまいます。この辺りが厄介なところなんですね。

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小さい光源(small light source:上段)は豆電球を思い浮かべていただければよいかと思います。一点から球状に光が広がっているので、例えば壁に光を当てると隅は暗く、中心は明るくなりますね。こういう光を被写体に当てた場合が右になります。中心で当てた場合はさして問題ないのですが、ちょっと光源から遠くなると影が大きく、そして濃く出やすくなります。この辺りは街灯などからも実感しやすいかと思います。

もう一つが大きい光源(large light source:下段)です。丸型蛍光灯や直管蛍光灯などはつけると全体的に明るくなるので広範囲を明るく照らせますね。これが大きな光源です。こういう光源の場合、被写体がどこにあってもあまり影は大きく出ません。


さて、では写真ではどうなっているかを見てみましょう。

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この例は左から、窓から日光が入っている場合、窓にカーテンをかけた場合、室内のスポットライト照明を複数使った場合です。影が大きいのは室内のスポットライト照明を複数使った場合ですね。複数使っているので影が幾つかできていますが、その他の二つに比べると明らかに影が濃く、大きく出ています。
次に左と中央の二つですが、テーブルを見てみると、左のほうがやや影が強く出ています。これは、直射日光のほうが光源としては小さく、カーテンをかけて直射日光を防ぐと光源が大きくなる(その代わり光は弱まります)ということを意味しています。光源そのものの物理的な大きさではないのでちょっとややこしいですが、影をみれば判別できると覚えてください。

次は野外での光の違いです。

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昼間の屋外で光源となるのはほぼ太陽だけです。太陽はめちゃくちゃ大きな光源のように思えますが、写真的には小さな光源になります。
例では左から晴天時、曇天時、日陰での撮影を行いました。晴天時は人形の後ろにくっきりと影ができています。日の下に出れば影ができるというのはみなさん経験として知っていると思いますが、これは太陽が光源としては小さいためです。
中央の曇天時は影がほとんど見えませんね。これは太陽光が雲によって拡散されたためです。
最後の日陰は人形の体や側面が影になっていますが、人形の足元にはくっきりとした影はありません。こちらは木陰で撮ったのですが、木陰が太陽の光をいくらか削いだり、葉っぱが光を拡散したため、光源が大きくなりました。

光源の大きさでなにをコントロールする?

ここまでの話が理解できている皆さんはきっともう大丈夫ですね。そうです、光源の大きさでコントロールできるのは「影」ですね!
影の使い方はさまざまです。街撮りスナップなどでは影を使いたいこともありますし、逆に物撮りの場合は肝心なところが影になってしまっていては困ります。屋外のモデル撮影などでも、太陽を人間がすげ替えることはできないので、モデルさんを綺麗に写すためには撮影者が大きな光源を工夫して作らなければなりません。こういう時に、光源の大小について理解をしていると、影を上手くコントロールして自分のイメージ通りの写真が撮れるようになるわけです。
コントロール方法については順次しっかりと時間をとって書いていきたいと思いますが、今日はこのへんで。
いらないところに影があるなぁとか、なんだかぼんやりしちゃったなぁ…なんて思うときは光源の大小についてちょっと考えてみてくださいね。

では、次回もお楽しみに!